女も男も No.140 介護労働・家族介護のいま・未来(ON140)
ISBN978-4-8450-0900-8
定価1,948円(本体1,771円+税10%)
誰もが当事者となりうる介護問題。だが、スタッフ不足などから、とりわけ在宅介護の現状は今や破綻を迎えつつあるといわれている。背景にあるのは、介護労働者の安すぎる賃金、細切れ労働化など。コロナ禍によるストレス、政府の対応のまずさも影響しているだろう。職場でも、家庭でも、ケア労働を主に担っているのが女性たちであることを考えれば、ジェンダー問題が根底にあるのは明らかだ。本号では、介護労働者、家族介護者の現状の課題を探り、誰もが互いにケアし合えるようになるには何が求められているのかを考える。
PART 1 介護労働・家族介護はいま
【対談】
キャンセル、移動・待機時間に労基法どおりの賃金を
──ホームヘルパー国家賠償訴訟が問いかけるもの
伊藤 みどり、佐藤 昌子(ともに国賠訴訟原告)
介護労働者の「就業意識実態調査」から見えるもの
村上 久美子(UAゼンセン日本介護クラフトユニオン副会長)
外国人介護労働者の声を聴く
──仕事、暮らし、日本語への想い
中野 玲子(中央大学兼任講師)
家族介護者の現状と今後の支援
──非正規シングル女性を中心に
森 詩恵(大阪経済大学経済学部教員)
介護保険制度のゆくえ
小竹 雅子(「市民福祉情報オフィス・ハスカップ」主宰)
《探る・深める》
家事労働者過労死訴訟で見えてきたケア労働者の保護外しの構図
竹信 三恵子(ジャーナリスト)
PART 2 コロナ禍でいのちをつなぐ
コロナ禍を生きる介護職員たち
白崎 朝子(介護福祉士・ライター)
認知症のある人の暮らしと介護保険
小島 美里(NPO法人暮らしネット・えん代表)
コロナ禍での障害のある人と家族の暮らし
福井 公子(阿波市手をつなぐ育成会会長)
働きながら介護する
──コロナ禍で直面したこと
広川 由美(仮名)(岩手県小学校養護教諭)
《探る・深める》
特別支援学校の現場から
福澤 美幸(山形県内養護学校高等部教員)
PART 3 ケアを中心にした社会へ
ケア実践から、政治の在り方を考える
岡野 八代(同志社大学大学院グローバル・スタティーズ研究科教員)
介護におけるインターセクショナリティ
二木 泉(介護福祉士、トロント高齢者施設スタッフ、トロント大学博士課程在籍)
《探る・深める》
ケアされる側の現状とニーズ
植本 眞砂子(高齢社会をよくする女性の会・大阪代表)