女も男も No.138 ヤングケアラー(ON138)
ISBN978-4-8450-0897-1
定価1,948円(本体1,771円+税10%)
ヤングケアラーとは、家族のケアを行う18歳未満の子どものこと。国の調査によると、中学2年生の17人に1人が「世話をしている家族がいる」と回答している(2021年4月)。ヤングケアラーは、見ようとしないと見えない存在といわれる。だからこそ社会の認識を広めて、ヤングケアラーが安心して話せる場(学校、社会、地域)をつくることが必要だ。本号では、ヤングケアラーの実態、行政、学校での支援のとりくみのほか、当事者の声やセルフヘルプ・グループを紹介する。
PART 1 見ようとしないと見えない存在ヤングケアラー
ヤングケアラーの実態と必要な支援
堀越 栄子(日本ケアラー連盟代表理事)
ヤングケアラーをとりまく諸課題
斎藤 真緒(立命館大学産業社会学部教授)
全国初の「ケアラー支援条例」制定とその後のとりくみ
宍戸 幸典(埼玉県福祉部地域包括ケア課)
《探る・深める》
若者ケアラーに求められているのは就職・転職支援
宮﨑 成悟(ヤングケアラー協会代表理事)
PART 2 学校と福祉・地域をつなぐ
ヤングケアラー支援のため、教育現場から福祉との連携を図る
早野 裕之(埼玉県教育局市町村支援部人権教育課)
人とつながることの心地よさを知ることでSOSを出せるようになる
黒光 さおり(スクールソーシャルワーカー)
長年のインクルーシブ教育実践を背景にヤングケアラー支援にとりくむ
鬼塚 健自(湘南教職員組合執行委員長)
地域連携型生徒支援でヤングケアラーの「家族全体への支援」につなぐ
竹村 雅夫(藤沢市議会議員)
うれしかったのは「ほめられたこと」「気にかけてくれたこと」
──精神疾患の親をもつ子どもの実態調査(成人後の調査)からみえてくるもの
蔭山 正子(大阪大学高等共創研究院教授)
PART 3 当事者の声とセルフヘルプ・グループ
しんどいのは自分一人じゃない 葛藤する気持ちを共有できた
──ふうせんの会のとりくみ
吉野 祐樹(仮名)・喜多 正輝・高岡 里衣(ふうせんの会運営メンバー)
当時の自分の気持ちを振り返り、自分を知っていく
──精神疾患の親をもつ子どもの会「こどもぴあ」のとりくみ
坂本 拓(こどもぴあ代表)
自分らしくいられる居場所であるために
──きょうだい会SHAMSのとりくみ
滝島 真優(きょうだい会SHAMS代表・成蹊大学客員研究員)
子ども世代の思いが分かち合える場が欲しい
──若年性認知症の親と向き合う子ども世代のつどい「まりねっこ」のとりくみ
田中 悠美子(立教大学コミュニティ福祉学部助教)
頼れる大人を見つける冒険
──絵本『生きる冒険地図』に込めたもの
細尾 ちあき(プルスアルハ)